iBooksの深刻な問題その2

ルビのようにふる長い注釈

チベット旅行記には複数行にわたる本文にルビのような長い注記がつく。この注記が付いた部分二行目以降の本文がiBooks3.1では表示されない。
ルビと同様の問題だ。
チベット旅行記の注記の付く本文はとても長いためにiPhoneだけでなくiPadでも発生する問題で、本文が長文で抜けてしまうのは深刻だ。

★実際の文庫本のページはこのようになっている

※画像タップで拡大します

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 【講談社学術文庫 河口慧海:チベット旅行記(三)】

 この部分iBooksでは注記が振られた部分が1行しか表示されていない。

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 【河口慧海:チベット旅行記】iBooksでは注記の付いた2行目以降の本文『シナ風の屋根がある。その下を過ぎて一町余り行くとラサ府の西の入口の門に着きました。その門はちょっとシナ風に建てられて居る。それから中へ進んで行って左の広い道に沿うて二町余り行きますと』が消えている
 対応する注記も1行分しか表示されない。
iPadの大きな画面でも91文字も本文が消えてしまっている。

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 同じページneo文庫では注記付きですべて表示している。
 本文の欠落ももちろんない。

 同じチベット旅行記をiPhoneで表示するとやはり同様の問題がiBooksではある。
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 【河口慧海:チベット旅行記】iBooksでは全ページの挿絵のキャプションが表示されている。
 次行に長い注記があるが途中で不要な改行が入っている。

5行ぶんほど表示されない。neo文庫ではiPhoneでも表示に問題はない。
 次行は行頭禁則が破綻し行の長さ計算も影響を受けているのか1行に表示する字数が1文字少ない。

 iPhoneでは1行の文字数が少ないのでこのような深刻な問題が発生しやすい。